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下町ボブスレーの性能は本当にラトビア以下?不採用の予兆は昨年11月に!

ジャマイカ女子チームが、平昌オリンピックでは下町ボブスレーの使用を拒否したことが分かりました。
プロジェクト推進委員会はこの契約不履行に対し、損害賠償請求を検討しているとのことです。
下町ボブスレーの性能は本当にラトビア製以下なのでしょうか?どうも不採用の予兆は昨年11月からあったようです。

下町ボブスレーの性能は本当にラトビア以下?不採用の予兆は昨年11月に!

この問題の経緯を見てみましょう。

問題の経緯

2011年 「下町ボブスレー」プロジェクト開始
2014年~ 日本チームソチ五輪、平昌五輪で、採用せず。
2016年 ジャマイカとの平昌オリンピックでの使用契約に成功した
2017年
11月6日 ノースアメリカンカップで、「下町ボブスレー」10号機を使用し銀メダルを獲得
11月30日ノースアメリカンカップで、8位。

ワールドカップ参戦のため、欧州への輸送時に、ドイツでの輸送機関のストライキにより下町ボブスレー10号機が届かず、急遽ラトビアBTC製ソリを調達した
12月9日 ワールドカップ参戦からラトビア・BTC社製ソリの使用を始め、ドイツでのワールドカップで7位と上位入賞した。
下町ボブスレーはドイツの空港に放置されていた。
連盟側から「(下町ボブスレーの方が)タイムが何秒遅い」「危険だ」といった指摘やラトビア製のそりと比較した話が出るようになった。
「ジャマイカ連盟はBTCの最新ソリを用意した上に、ステッカー類も万全であった」(プロジェクトメンバーの話)。
以降、最終戦(1月20日)を含むワールドカップ4戦で、ラトビア製を使用。
2018年
2月2日よりプロジェクトメンバーが平昌に入り、待機したが、ジャマイカチームのスタッフが「我々のソリではない」と発言し、レギュレーション対応への協力を拒否しました。
2月5日 プロジェクト説明会で、ジャマイカチームが、本番での使用を拒否したため、ソリ開発・貸与の契約解除および損害賠償請求の法的措置を取る手続きを進めますと発表。

ジャマイカ側の言い分はラトビア製に比べて、「遅い、安全でない、検査不合格」というものです。
ジャマイカチームは、ラトビア製は下町ボブスレー製と比べて2秒もタイムが速い、
下町ボブスレーは「スピードが遅い」「規格違反で失格のリスクがある」と主張しています。

これに対するプロジェクトチームの反論を見てみましょう(プロジェクトチームHPより)。

プロジェクトチームの評価に対する反論

1. 速さ
オーストリア代表女子選手BEIERL Kartinによりインスブルックのコーステストで下町ボブスレー10号機とドイツのワルナー(コースで最速と評価)比較滑走した。
(BTCをジャマイカチームが持ち去ってしまったため)。
テスト滑走したKartin選手の滑走後のコメントでは「下町の方がハンドルが繊細など操作の特性はそれぞれ特徴があるが、性能は同レベルで、振動も気にならない。」と言った。
ジャマイカ連盟が指名したオーストリア人技術者は「下町ボブスレーはBTCより速く、ワルナーと同等」と評価した。

2.検査不合格
不正なソリを失格にするためのレギュレーションチェックを、3回受けたが、軽微な修正を指導された程度で全く問題ない。

3. 安全性
操舵によるランナーの稼働範囲の角度が大きいという指摘があったが、レギュレーション範囲内であり、
ステアリング部の調整により即時にその場で対応可能なもの。

ただ、一番のきっかけは、ジャマイカがラトビア製を使って12月9日のドイツワールドカップで7位に入ったことでしょう。

ノースアメリカンカップでは10号機を使用し銀メダルということなので、なぜこれをきっかけに下町ボブスレーの使用に否定的になったかを調べてみましょう。

今シーズンの成績を以下に示します。2人の選手の内、メインは、経験豊富なパイロットのジャズミン・フェンレイタービクトリアン選手です。

ここから分かるのは、
1.「下町ボブスレー」を使用していた12月9日より前は、3回あったワールドカップに出場せず、よりマイナーな大会と思われるノースアメリカンカップに4回出場していた。
このうち1回がプロジェクトの言う銀メダル獲得である。

2.ワールドカップとノースアメリカンカップでは、出場チームもほぼ23チーム対13チームと大きく異なり、もちろん出場する選手のレベルも違う。

ちなみに日本の2選手は、ワールドカップで、ジャマイカ代表より下位ですが、すべてのワールドカップに出場しています。

3.なぜ、世界ランクを決めるポイントが加算されるであろうワールドカップを3回も休んで、
ノースアメリカンカップ出場を下町ボブスレーのジャマイカチームが選択したのか?

ワールドカップ出場の自信がなかったのか、マイナーな大会で確信をつかんでからワールドカップへの出場を狙ったのか?
ただし、ジャズミン・フェンレイタービクトリアンは経験豊富な選手である。

4. ノースアメリカンカップの4回の成績は5位/13(チーム)、2位/13、7位/16、8位/16となったが、これをジャマイカの選手やコーチはどうみていたか?
これではワールドカップひいてはオリンピックでは戦えないと判断したのかもしれない。

5.ラトビア製を使用後はワールドカップでも、11位/21(チーム)、18位/21、13位/23、11位/22と比較的安定した成績を残している。

即ち、12月9日にワールドカップに出場する時点で、上位を狙うには、新しいボブスレーが必要だと判断したのではないでしょうか?

ドイツでの輸送機関のストライキは実際にあったそうだが、これを理由にして、切り替えを図ったのではと思われます。
急遽手配したにしては、「BTCの最新ソリを用意した上に、ステッカー類も万全であった」ということから準備はできていたのではと思われます。
時間は11/30から12/9の9日間しかありません。その間練習も必要と思われます。

両方のソリの間に、2秒の速度の違いがあるというのも、いつ測定したのでしょう。
BTC採用前に少なくともテスト走行はしていたでしょう。

ジャマイカチームにとっては、勝利、上位入賞というのが第一目標です。
ところが「下町ボブスレー」チームは技術的に優れていることは前提ですが、オリンピックで採用されるということが第一の目標だったのではないでしょうか。

そこに両者の齟齬がありジャマイカ側がこれまでの援助や、契約、違約金の問題があるため、
不採用を言い出せず、開幕直前まで引っ張ってしまったというのが真相ではと思えます。

やはり、一番は出場する選手やコーチが、これでいけると納得するかが採用の決め手となると思います。
いくら客観的なデータを出しても、これを覆して納得させるのは難しいと思います。

プロジェクトチームとしては、11月の時点で、そこに気づくべきではなかったのでしょうか?
協力が得られない状況で客観的と言われるデータを出しても、それは無理というものでしょう。

次にジャマイカの下町ボブスレー不採用についてのネットの意見を見てみましょう。

ジャマイカの下町ボブスレー不採用に関するネットの反応


*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。

このことが公になったときは、ジャマイカ非難が多かったようですが、現時点では冷静になったのか、
プロジェクトチームの賠償金請求検討に対する風当たりが強そうです、

まとめ

プロジェクトチームとしては、年間数千万円規模の費用をかけてジャマイカ代表ボブスレーチームをサポートしてきたのにという思いや、
安倍首相の応援、NHKでの特別番組、本の出版など、退くに退けない状況ではあったと思いますが、
ここは大人の対応をして、さすが日本!と言われるようにして、これを契機にかえって関係が良くなるというように考えていただきたいものです。

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コメント

    • 2018年 2月 08日

    「ジャマイカはBTCのそりをワールドカップと五輪で元から使うつもりだった」というのは
    輸送トラブルで急遽用意したはずのBTCのそりにスッテカーが貼ってあった点からも恐らくそうだと思います。

    そうなると、BTCのそりをいつ用意したのかが明らかになるとジャマイカ側が契約的には不利になると思います。

    また、五輪の予選的な位置づけであるワールドカップの転戦費用をジャマイカが自前で用意できずに
    下町ボブスレーが資金援助して参加したという話が
    今後はそりの性能云々以上にややこしくなる話だと思います

    • 2018年 2月 11日

    こんにちは。楽しく拝見させて頂いております。
    競技者であれば誰しも最高の機材を使いたいのが心情でしょうけど、現実にはスポンサードの問題で使用する機材を指定されるなんてのは当たり前にあります。自転車の世界しかり車の世界しかりです。スポンサードの問題で使いたくもない機材を使う(もちろん自分の望むメーカーから機材提供を受けられるのが最高ですが)というのはよくあること、寧ろ当然・当たり前なことなのです。そこでスポンサードを受けているにも関わらず「機材の性能が低い=本番で使わない」という論理展開には非常に違和感と無理があります。
    契約関連については契約に基づいて賠償請求をするのはこれも至極当然・当たり前です。こんなことに大人の対応なんて不要ですし逆にやってはいけません。

    この問題で気になるのは寧ろそんなことではなく、
    ————-
    [ジャマイカボブスレー連盟の国際大会出場支援について](抜粋)
    “資金難のため国際大会に出場できず五輪出場権の獲得が危ぶまれています。このことから、3 社による資金援助を決定しました。”
    ————-
    と慢性的に資金難だったジャマイカのボブスレーチームにしては最新機材の調達や賠償の支払いについてやけに手回しがよくしかも資金的に潤沢であるかのような動きを見せていることです。そもそもジャマイカという国を考えた場合、ボブスレーなんて超どマイナーウィンタースポーツにかける意気も意義も金も雪も何もありません。これはこの話の原点のはずです。なのにこの動き、私は日本の半分国策でやっているこのプロジェクトについて妨害を目的とした大量の資金援助がジャマイカ側にあったのではと疑っています。

      • 2018年 2月 18日

      > スポンサードの問題で使いたくもない機材を使う
      それと同様に、スポンサードを受けながら契約外のメーカーのものを(違約金を払ってでも)使うこともしばしばあることでしょう。
      だから目くじらを立てるなとは言いません。契約ですから、非難されて当然のことではあります。
      ただ一方で、 マイナー競技の弱小国なら、金を出してオリンピックという箔を得られるだろうという浅薄な下心(企業ならそれでいいでしょうけど)を隠そうとして隠しきれなかったわけでして。
      高潔な錦の御旗を立てても、 実際には国ぐるみ、金まみれ、下心も中の人間の程度の低さも露見した今、振られた男の醜い逆ギレにしか見えません。

      >私は日本の半分国策でやっているこのプロジェクトについて妨害を目的とした大量の資金援助がジャマイカ側にあったのではと疑っています。

      可能性としてはゼロではないかもしれませんが 考えすぎでは?

      国策・・・は確かにそうかもしれないですけど、そもそもそういった職人芸・モノづくりの力(下町レベルでの)というのは我々日本人が思っていたほどでも、海外から恐れられるほどでもなかった、というのが、この数年でわかってきた事実だと思います。だからわざわざそんな事をする意味も無いのではないかと思います。

    • 2018年 2月 12日

    違約金はらってでも乗りたくないとかよっぽど粗悪品だったんだな
    つまんない事やってないで本業で頑張れってこった
    日本代表が使ってない時点でお察し

      • 777
      • 2018年 2月 16日

      ジャマイカチームは
      違約金のことなど考えずに
      ソリを乗り換えて
      今、揉めている状況です。
      多分、ジャマイカのオリンピック委員会が
      ボブスレーチームに
      「お前ら他のソリ使ったら
      違約金を自分達で払えよ!」と、言われて
      ラトビアのソリを持ち込んだ
      監督が去ったという状況だと思います。

    • 大石良雄
    • 2018年 2月 17日

    拝啓 同じく場末のフリーランスエンジニア(ど底辺労働者)の端くれとして一言。かつて日本の独断場であった「某パーツ」 この海外製をクライアントにセールスした際解った事は、やはりクライアントは「実績と信用を買う」と。つまり幾ら価格が安くても信用出来ない物は国内外問わず買わない使わないと。実際に使用すると「実質的にはほとんど変わらないが、しかし何か意図しない突発的な事象や強烈な負荷がかかると」、やはり安価な海外製品は勝てなかった。殊更「選手の肉体と共に酷使する用具」とは、いわば「業務用プロ用途の音響機器や映像機器と同じレベル」であり、此処に真正面から食い込もう、挑戦しようと言う意気込みファイトは買うが、そうそう簡単単純な図式は通用しない。使用する側は「勝つため、利益を得るために使用する」からだ。非常に残念だが「造る側の科学的な客観的なデータ」だけではクライアントは決して信用しないし使わない。此処に歴史と伝統と時間が必要で、それに耐えられるか否か? 物造りの難しさがある。更に言えば「物流がストライキで遅れた」等は恥ずらかしいにも程がある。日本同様に完璧な秒単位の正確さ等を、ましてや欧米や新興国に求める等絶対出来ない。日本が異常だからだこそ同じ対応を求めてはならない。此処に実は「運を見方につけられたか否か?」と。もしも物流が上手く行き、相手方にきちんと届いていたら? 少なくても今回の様な事は無かったかもしれない。運が無かったというのも実力の範疇であり、此処はすっぱりあきらめてもっと「芸術分野=例えば歴史的なパイプオルガンの修復」等の様な、地味だが極めて意味ある芸術分野にこそ、日本の町工場の技術力が必要のはずだ。どうも今回は「だれかが何かの野心で、スケベ根性出しすぎた?」結果かもしれない。

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