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任天堂「白猫プロジェクト」差し止め訴訟にコロプラは勝てるか?反応まとめ

スマホゲームでおなじみのコロプラは、ゲーム「白猫プロジェクト」の配信差し止めと損害賠償44億円の支払いを任天堂が求めて、
東京地裁に提訴したと発表した。
数々の訴訟に勝利し「最強」と称されている任天堂法務部に果たしてコロブラは勝てるでしょうか?

任天堂「白猫プロジェクト」差し止め訴訟にコロプラは勝てるか

コロプラはスマートフォン向けネイティブアプリが全体の77%を占めているソフトメーカーである。

まず、訴訟に強いと言われる任天堂の過去の訴訟事例等を調べてみました。

任天堂の過去の訴訟・事件の事例

確かに、勝ったケースが多いのですが、多くは訴えられた場合にこれをはねのけたケースで単独で、積極的に訴えた場合の勝敗は1勝1敗です。
勝ったのは、セガに対するテトリス事件のみです。これだけでは、原告として強い法務部だとは一概には言えないと思われます。

次に任天堂法務部とコロプラ法務部との強さを比較する意味で、現時点で特許庁のデータベース上で公開されている
公開特許公報、特許公報(審査され権利が確定した)数を見てみました。

コロプラ:公開特許公報 396件、特許公報215
任天堂:公開特許公報2150件、特許公報1601件数

会社設立以来の歴史が違うとは言え、特許の数では任天堂の強さが際立っています。

一方、コロプラのホームページ上でのIR情報からは、今回のケースを除くと知財関連では、「株式会社カプコンと特許クロスライセンス契約を締結した」ことが載っている程度で、訴訟経験という意味でも任天堂との差は非常に大きいと言わざるを得ません。
ネット上では、今回の件と関連あるかどうか不明ですが、コロプラが急きょ法務部員を募集していると話題になっています。

では、任天堂に対抗するために、コロプラ法務部はどのような対抗手段をとればよいのでしょうか?次に具体的に見てゆきましょう。

コロプラ法務部の取りうる対抗処置

1. 「白猫プロジェクト」は、任天堂5件の特許に対し侵害していないことを主張する
問題となっている任天堂5件の特許の請求の範囲に「白猫プロジェクト」の構成は含まれていないと主張する(訴状に記載されている)。
特許請求の範囲の構成要件がたとえば、5つの必須要件から成り立っているとすると、
その1つの要件でも使っていないと主張できれば主張できる。
また、特許の実施例等の明細書の本文記載と、請求の範囲に矛盾があれば、そこをついて、「白猫プロジェクト」の構成要件がはずせないかを検討する。
2. 問題となっている任天堂5件の特許が無効であることを主張する
無効化資料の調査:特許請求の範囲と同じ構成要件が記載されている出願日前に公開された資料(公知資料)がないか?
これは特許明細書の本文中でもかまいませんし、公開日等が証明できるなら、ソフトなど商品であってもかまいません。

または、構成の一部が欠けていても他の資料との組み合わせまたは、ゲームソフト業界の技術常識を組み合わせば、
当業者(この分野の専門家)であれば、容易に思いつくことができるような資料がないか?を調査する。
3. クロスライセンスの可能性の検討
コロプラが所有する特許を、侵害している任天堂の商品はないか?
あれば、これをネタにクロスライセンス契約に持ち込む。

当然経験豊富な任天堂法務部のことですので、これらの点を十分吟味したうえで、訴訟に踏み切ったと思われますが、
筆者の経験では、訴えられた側は、訴えた側以上に必死になってありとあらゆる公知資料を探しますので、
案外気付かなかった資料が出てくる場合があります。

別の方が書かれていましたが、コロプラが「白猫プロジェクト」に関する特許等をいくら持っていたとしても、
任天堂自身がその特許を使っていない限り、今回の訴訟の対抗手段とはなりません。

さらに、任天堂の訴訟時期が遅いのではとの議論がありますが、任天堂側としては、「白猫プロジェクト」の売り出し初期の段階で侵害がわかっていたとしても、
その売上が増えて、損害賠償額を最大にすることができ、配信差し止めで被告に最大の打撃を与える時期を狙ったとも推測されます。
次にこの事件に対するネットの反応を見てみましょう。

任天堂「白猫プロジェクト」差し止め訴訟に関するネットの反応

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「白猫プロジェクト」が消えることを非常に心配するコメントが多いようです。但し、この種の訴訟では、全面的に被告が負けたとしても、途中で、多額の損害賠償金を支払うとか、今後配信に際しては、任天堂に特許使用料を支払うとかで、決着するケースが多いと思われます。

白猫プロジェクトが全く消えてしまうということはまずないでしょう。任天堂としても、コロプラを含めた関連業者に、侵害に対する強い警告を発したということで、かなりも目的は達成できたといえるのではないでしょうか。

まとめ

1年交渉して埒があかなかったので、訴訟に踏み切ったとあります。交渉は、任天堂側のライセンス料をよこせという要求だと推測されます。
コロプラ側も全く対抗手段がなければ、要求通りのライセンス料を支払うことで、終結させたでしょうが、
そうせず訴訟を受けて立つとしたからには、何らかの有力な反論を持っているものと思います(それを交渉時に提示したか、隠し玉としていたかは不明ですが)。

そうでなければ、訴訟終結まで、配信がどんどん増えるに従い、損害賠償の額が増えていってしまいます。

筆者はスマホゲームにはあまりくわしくありませんが、法人化する際に、初心を忘れることがないように会社設立当時のサイト名「コロニーな生活☆PLUS」の愛称である「コロプラ」を社名としたというコロプラが業界大手の任天堂に対し大いに健闘し、このつまずきを克服してさらに成長することを応援したい心境です。

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