もし万一コインチェックが倒産した場合、現時点で、自分のNEM/XEMを引き出すこともできない投資家の税金はどうなるかという心配の声が出ています。
コインチェック倒産したら税金は?
倒産して返金される場合と倒産して返金されない場合
倒産して返金される場合でも、課税となるケースと非課税となるケースに分けて考えて行きましょう。
まず、倒産するかどうか以前に、コインチェックがNEM補償金を「円で返金」した場合の議論です。
購入金額より補償金が高ければ、当然利益が出たわけだから、課税対象対象だという意見と、盗難による損害賠償として非課税だという意見があります。
これについては、麻生財務大臣が6日、コインチェック事件で流出したNEMの補償金について、
課税の可能性を示唆すると同時に、どれが課税対象に該当するかの把握の必要についても言及したとのことです。即ち「NEM返金は課税の可能性あり」ということです。
また、多くの会計士さんの意見は、損害賠償として非課税というのは、無理があり、
「営利を目的とする継続的な株式等の売買において生じた損害に対する損害賠償金であることから、営利を目的とする継続的行為から生じた経済的利得として、
総合課税の雑所得の金額の計算上総収入金額に算入されることとなる」という株式の売買に関する判例に従えば、当然課税対象だという意見が大勢です。
仮想通貨で、利益を上げた場合は、雑所得として課税されるというのは、国税庁タックスアンサーで確認できます。
仮想コインの代表格ビットコインについて、
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、
事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
(所法27、35、36)
と記載されています。
即ち利益確定した時点で、今回であれば、円での入金が確認された時点で、判断されるということでしょう。
では、次に倒産のケースを想定してみましょう。
倒産した場合の税金は?
倒産して返金されない場合または、投資額未満の金額が返金された場合。
補償金額<購入金額の場合
損失ですので、課税されることはないと言えます。
但し、この損失を他の利益(他の仮想通貨や株やFX取引きでの利益)と損益通算(赤字の所得と黒字の所得とを相殺すること)できるかという問題があります。
例えば、
FX取引きの場合であれば、他の取引所であっても、FX同士はもちろん、金融商品先物取引等の決済とも損益通算できるとされています。
以前は、店頭FXと取引所FXの損益通算は合算できませんでしたが、法整備された2012年以降できるようになり、
金融商品先物取引等の決済とも損益通算できるし、株取引と同様、損失をした場合には、3年間の損失の繰越控除が可能となっています。
FXがここまでくるにも、法の整備が必要でそれなりに時間がかかった訳です。
仮想通貨の場合は、まだまだここまでの法整備がなされていませんので、今のところ次のように考えられます。
1. 他で現金化などして利益確定した仮想通貨などで損失が発生していた場合は、利益から損失を引く(相殺する)ことができるようです。
2. 株やFX取引きでの利益と損益通算はできません。
3. 3年間の損失の繰越控除はできません。
FX取引きで赤字となった場合でも、給与所得や事業所得等と損益通算は出来ませんので
当然今回の補償で出た損失と給与所得や事業所得等と損益通算は出来ません。
幸運にも、倒産にも関わらず、
補償金額>購入金額の場合は、
先の議論から円での補償金額から購入金額を差し引いた額が雑所得として課税されると思われます。。
次に、補償金への課税や、倒産に関するネットの声を見てみましょう。
補償金への課税や、倒産に関するネットの反応
おお国税庁言い切った…。「たとえ保証金がないと税金が払えないとしても、納税の救済措置はしない」 https://t.co/xZEDsiRHa9
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) 2018年1月30日
たとえ(含み益が実現して)税金課されてでも返金されたいレベル
不正に送金された仮想通貨NEMの保有者に対する補償方針について | コインチェック株式会社 https://t.co/aitlFP82QU pic.twitter.com/Asr8Xo6koP
— あたしnots™だから (@call_me_nots) 2018年2月6日
金融庁、国税庁、財務省の紛れの奴等がいてると思うからここで言うたるわ。
コインチェックのネム盗難分は雑損控除や。
補償金は非課税所得や。
分かるか?
利確扱いなんて税法無視でカツ揚げも甚だしい。
仮想通貨と仮想通貨の交換もただの両替や。
お店で両替してもらうとき税金とらんやろ?
以上。— キンキおっさん (@kinkiossan0614) 2018年2月4日
国税庁「出金出来なくてもコインチェックで返金された奴は決済と見なし税金取り立てる」保証金がなければ税金を払えないという人に対しては控除や救済は一切ないhttps://t.co/CgMwfXEqjf
さすが国税。仮想通貨の儲け方わかってるね— q6600ESS (@q6600es) 2018年1月30日
興味深い質問をいただいた。仮にコインチェックが倒産した場合、基本的に投資家は保護されず預けたコインや日本円は返らないと思った方がいい。民事再生法若しくは会社更生法の適用、粉飾による上場廃止等、今までみた大半のケースで顧客資産は返却されていない。金融庁は今難しい決断を迫られている。
— 投資カービィ(-1.68歳) (@big_loss_punter) 2018年2月1日
*規約に準じて掲載しております。もし掲載不可でしたらすみやかに削除しますのでお問い合わせください。
倒産するかしないか、返金があるかないか、返金に税金がどうかかるか、
今回のこの事態に戦々恐々としているコインチェックのクライアントが多数いるようです。
まとめ
今年のコインチェック関連の納税が具体化するのは、今年の末に損益を確定させて、来年の2月3月の確定申告の時期になると思います。
それまでに、国税庁が少なくともFX並みの法整備をしてくることが考えられます。
それによって個人的に具体的にどうすれば、というのがはっきり見えてくることと思います。
もし、コインチェックが倒産し、損失が広がるようなら、他の仮想通貨の利益を今年中に確定させて、
損益通算により今年の税金を減らそうという動きが出てくるかもしれません。
これから年末にかけて、国税庁、仮想通貨の価格変動、利益確定の動きなど、
さまざまなことへの目配りとそれに対する対応が必要なようです。
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